授乳・ミルクについて

母乳について

母乳には赤ちゃんを感染などから守る、たくさんの免疫が入っていて、しかもアレルギーも起こしにくいといった、健康に対する多くのメリットがありますし、何よりめんどうな消毒作業などもいらずに手軽に与えることが出来、しかもお金もかからないといったメリットもあります。

また、ママと赤ちゃんのコミュニケーションとしても、母乳を与えることは大変有意義なのではないでしょうか。

ただし、おっぱいの張りがたまらない苦痛という悩みのママさんも多いですし、おっぱいの張りと赤ちゃんの要求のタイミングが一致しにくいのも悩みのひとつ。

赤ちゃんはところ構わず、夜中であろうといつであろうとお構いなしにおっぱいを要求します。隣で高イビキで眠っているパパを見てイラッ!なんていうのもごく普通にある光景です。パパも出来る限り夜中の赤ちゃんの夜泣きやオムツ替えなど協力するようにしましょう。

授乳は3、4時間に一度、というのが理想ではあるのですが、そううまいようにいかないのが現実。はじめの一ヶ月くらいは、おっぱいを与えるママも、おっぱいを飲む赤ちゃんもまだ下手だったりするので、慌てず落ち着いて、最初は出にくい・飲みにくいことを前提に、求められたらその都度与えるくらいでちょうどいいでしょう。

おっぱいが張って痛い、などという悩みは、パパにも説明して理解してもらっていた方が何かとスムースにいくでしょう。痛いときは授乳のタイミングなどを気にせずに、手でしぼったり、吸引機で出してしまいましょう。助産師さんがしてくれるおっぱいマッサージなども有効です。

おっぱいが出ないという悩みの方も多くいます。母乳は赤ちゃんが乳首を吸う刺激が脳に伝わってホルモンを分泌して出るものですので、まずは出る・出ないにかかわらず吸わせることが大切です。もちろんある程度やっても全然でない場合は、その場はミルクを与え、また次回にチャレンジしてみましょう。もちろんママも体は温かくして、しっかりと栄養を採る食事をしましょう。

ただし、体質によっては、最後まで母乳が出ない方も少なくありません。その場合、赤ちゃんはある程度大きくなると、吸っても出ないおっぱいを拒み始め、哺乳瓶でミルクを飲みたがるようになると思います。

「母乳で育てたい」と思っていた方は、そういう状況になると、かなりショックやストレスを受けてしまう傾向にありますが、母乳には色々なメリットがあるとはいえ、母乳でなければ愛情を注げないわけでもないし、母乳で育てた方がいい子に育つわけでもありません。

それよりも、ママが精神的にイライラしたり、まいってしまう方が赤ちゃんにとってはよほど良くありません。

ミルクについて

ミルクの最大の利点は「ママでなくても与えられる」ということでしょう。

これはパパにも擬似的に授乳を体験できる貴重なものですので、ミルクを与える際は、ぜひパパにもやらせてあげましょう。

母乳だけで育てたい、という希望の方もいらっしゃいますが、やはりミルクをうまく利用すると、ぐんと生活の幅が広がるはずです。

昨今、海外製の粗悪な粉ミルクが問題になりましたので、原産地やメーカーなどは、十分気にする必要がありますが、ミルクは決して悪いものであるわけではありませんので、効率的に使ってみてはどうでしょうか。

おっぱいと比べたときのミルクの難点は、与えようと思ったらいくらでも与えることができるので、調整しないと飲みすぎになってしまうことです。当然飲みすぎれば太ってしまいますし、足りなければ栄養が不足してしまいます。

赤ちゃんに泣かれると、足りなかったのかと思い、栄養不足になっては大変と思って与えるものの、これは与えすぎなのでは・・・という不安も出てくる。この辺のさじ加減がミルクの難しいところですが、たいてい2、3ヶ月もすれば飲む量は落ち着いてきますので、1回1回の数字にあまり振り回されず、1日に1リットルをオーバーしない、という大まかな目安を守っていれば良いでしょう。

ミルクの作り方

後述しますが、赤ちゃんが小さいときは哺乳瓶は煮沸などで消毒します。ミルクを作るときに手に雑菌がついていては、せっかく哺乳瓶を消毒する意味もなくなりますので、必ず手を洗ってからミルクを作るようにしましょう。

ミルク缶は常温で保存できますが、しっかりとふたを閉めて密封しておかないとカビなどの原因になってしまいます。

同様にスプーンも、哺乳瓶に入れるときに蒸気などで湿ってしまい、そのまま缶に戻すと、これまたカビの原因になりかねません。面倒でもスプーンは使い終わったらティッシュなどでしっかりと拭き取り、別に保管しておきましょう。

また、市販のミネラルウォーターですが、粉ミルクは一般的な水道水を沸騰させたあとに冷ましたお湯を使う想定で作られています。ミネラルウォーターは、その名の通り、様々なミネラル分が高い場合が多いですので、赤ちゃんの体に負担がかかる場合も想定され、おすすめはできません。赤ちゃんのミルクを作る専用の水も市販されているようですので、そちらであれば問題ないと思います。

(1)沸騰後70度程度まで冷ましたお湯を、出来上がりの3分の2程度の量、哺乳瓶に入れる

(2)ミルクに添付されていた計量スプーンで必要量のミルクをすりきりで入れる

(量が多いと消化が悪くなり、少ないと栄養が不足します)

(3)乳首をつけないまま哺乳瓶を軽く振って、ミルクを溶かす(火傷に注意!)

(4)出来上がり量まで70度程度のお湯を加える

(5)乳首をつけて哺乳瓶を振り中身をよく混ぜる(火傷に注意!)

(6)流水に当てるか、水を入れたボウルにつけて、人肌まで冷ます

(その水が入らないよう注意)

腕の内側など、敏感な部分に2、3滴垂らしてみて、少し暖かいくらいであればOK!

哺乳瓶の外側が濡れている場合は清潔な付近で拭きましょう。

飲み残したミルクは、使い回しなどは考えずに捨ててしまい、面倒でも1回ずつ新しいミルクを作りましょう。

月齢別の一般的なミルクの哺乳量の目安は以下の通り。体重によって幅があります(個人差がありますのであくまで目安です)

生後0ヶ月〜0.5ヶ月  80〜100ml 1日7、8回

生後0.5ヶ月〜1ヶ月 100〜120ml 1日7回

生後1ヶ月〜2ヶ月  140〜160ml 1日6回

生後2ヶ月〜3ヶ月  160〜180ml 1日6回

生後3ヶ月〜5ヶ月  200〜220ml 1日5回

生後5ヶ月〜9ヶ月  220〜240ml 1日3〜5回

哺乳瓶の消毒の仕方

赤ちゃんが小さいときは哺乳瓶は煮沸などで消毒します。赤ちゃんがおもちゃなど、色々なものを舐め始めたりしたら、もう消毒する意味はないですが、多くの人が3ヶ月から5ヶ月目くらいまで消毒をしているようです。

いつまで消毒するのが正解、というものではありませんので、ママの納得がいく時期まで消毒するのが良いでしょう。

消毒にはいくつかの方法があるのですが、いずれの場合も消毒前に台所洗剤を使ってキレイに洗い、ミルクの成分や汚れを落としてから行うようにしましょう。

とくに乳首部分は形が複雑なので、丁寧に洗いましょう。専用の小型ブラシが便利です。裏返しにして洗うときは、無理をすると破れることもありますので、注意しましょう。

洗い終わったら、以下のいずれかの方法で消毒します。

(1)沸騰消毒

深い鍋にお湯を沸騰させ、乳首は3分間、哺乳瓶は5〜10分程度入れて煮沸消毒します。

取り出すときは専用のはさみがあると便利。やけどに注意しましょう。

とくに特別なグッズがなくても、ご家庭にある鍋で消毒できるのが利点です。

(2)薬液消毒

専用容器などに消毒液を作り、哺乳びんを浸します。ベビー食器の消毒などにも使えます。

消毒液も容器も市販のものがありますので、それを利用すると便利です。

(3)電子レンジ消毒

電子レンジ消毒用のケースが市販されていますので、それに入れて電子レンジで5分ほど加熱します。

短時間で簡単に消毒できるので便利です。

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